ヒョウタンゴケ目
ヒョウタンゴケ科を中心とした仲間。特殊な環境に適応したものが特異な形状のさくを持ち、別科とされている。

オオツボゴケ科は、ヒョウタンゴケ目から分けて、別目(または亜目)とすることもある。さくの形やさく歯の形状が、とても、特異的。

*ここがポイント
@ヒョウタンゴケ目の仲間は、主にさくの形状で分類されている。いずれの種も成熟すると必ずさくを付け、また、生育環境が特異なので同定は容易である。

カゲロウゴケ科は池や田の水が干上がった後、土がやや乾いてひび割れるころに出現する微小な仲間。短い茎の先端に、葉に囲まれて、丸いさくを作る。さくの蓋は分化しない。さくが丸いが蓋があり、葉の中肋が不明瞭か欠く。同じような植物体で中肋がはっきりと1本のものはヒョウタンゴケ科になる。

オオツボゴケ科は高山に生育する珍蘚。必ず糞や小動物の死骸上に生育しする。さくの頚部がよく発達するため、さくの形状が極めて特異になる。

ヨレエゴケ科の種は北海道の1ヶ所で採集されたことがあるだけの珍蘚である。

ヒョウタンゴケ目の科  (属と種の数) 生育地 主な特徴
1 ヨレエゴケ科     (1属1種) 北海道の1ヶ所で粘土質の土上【極稀】 原糸体のマット上に小さな植物体がまばらにでる
2 カゲロウゴケ科 (2属5種) 本州以南、干上がった池や田の土上 植物体は微小。やわらかい葉の間に丸いさくがつく
3 ヒョウタンゴケ科 (4属7種) 全国各地の湿土上 植物体は微小〜小型。葉はやわらかく、1本の中肋をもつ
4 オオツボゴケ科 (5属8種) 高山で、糞や小動物の死骸上に成育【稀】 さくは直立し、頸部が長く伸びたりふくらんだりする